Materializing the future of OLEDs
TADF/Hyperfluorescence™ 発光技術でより高効率・広色域・高寿命発光を実現
OLED市場

1980年代に米コダック社によって発明された有機ELは、有機発光材料とシンプルな構造のみで高効率でフレキシブルなディスプレイを実現することができます。

汎用性に優れた有機ELは近年主流となっているスマートフォンディスプレイのみならず、ウェアラブル、タブレット、ラップトップ、テレビ、車載ディスプレイなど様々なアプリケーションで使用され折りたたみ式や巻き取り式、伸縮式ディスプレイ、透明スクリーンなど、これまでにはなかった新しいソリューションを可能にし、VR や AR などに使用する高輝度OLEDマイクロディスプレイは、これから訪れるメタバース社会の実現にとって重要なデバイスとなっていくでしょう。

現在、有機ELディスプレイ市場は400億ドルを超え、今後も需要の高まりとともに成長が続いていくと見込まれています。有機EL技術を使用した斬新な技術やディスプレイが次々と市場に登場し、それらは世界を変え、私達の世界に対する見方をも変えていくかもしれません。

有機ELの挑戦

現在主流となっている有機EL発光はその発光技術により性能が異なります。有機EL第 1 世代とよばれ、青色で使用されている蛍光は発光スペクトルの幅が狭く高純度の発光色を実現しますが、発光効率が低いという課題があります。第2世代のりん光は、効率は高いものの、発光スペクトル幅が広く色純度が低く、高価なレアメタルが必要であるという課題があるうえ、青色の実用化には至っていません。

業界で最も重要な課題は、発光効率が高く、長寿命で、発光スペクトルが狭い青色発光技術の開発ですが、現在市場に出回っているすべての有機ELディスプレイは依然としてシステムの効率を劇的に低下させる第 1 世代の青色蛍光に依存しています。

Hyperfluorescence™ Kyuluxが提案する次世代の発光技術

Kyulux の Hyperfluorescence™ 発光技術は、第一世代の蛍光と第三世代の TADFを組み合わせています。TADFは、一重項エネルギー状態と三重項エネルギー状態 (⊿Est) の間にある小さなエネルギー ギャップを利用し、三重項スピンから一重項スピンへ励起エネルギーのアップコンバージョンすることでほぼ100%の内部量子効率 (IQE) を実現します。Hyperfluorescence™はTADFで生成された一重項の励起エネルギーを蛍光分子に移動させ発光します。これにより、高効率の TADFとスペクトル幅の狭い蛍光の両方の長所が統合され、次のような利点を生み出し、有機EL発光に重要なこれら全ての利点を兼ね備えた究極の有機EL発光技術となります。

  • 高効率 (100% IQE)

  • 狭い発光スペクトル

  • 高寿命 (りん光と同等かそれ以上)

  • レアメタルフリー

  • 低価

Kyuluxについて

2015 年に設立された Kyulux は、九州大学で発明された、レアメタルに頼ることなくコストパフォーマンスに優れた長寿命かつ高純度の発色、さらには高効率な発光すべてを実現する究極の発光技術-Hyperfluorescence™-を軸に、有機 EL ディスプレイや照明に用いる次世代発光材料の開発に取り組んでいます。2016年、KyuluxはHyperfluorescence™の実現に向け、一流の研究開発チームを集結、さらにハーバード大学から独占ライセンスを得た人工知能を活用したマテリアルズインフォマティックス(AIMI)を使用した材料探索システムKyumaticを活用し材料開発スピードを飛躍的に向上させることに成功しました。

また、有機ELディスプレイと照明技術の可能性を最大限に引き出すために、九州を拠点とした産学官連携によって有機光エレクトロニクスのエコシステムを形成し、2020 年には世界初の商用PMOLED ディスプレイの出荷を開始し、世界中の主要な有機EL材料メーカーと協力しながら2023 年には緑色の AMOLED 材料、2024 年までには赤色と青色AMOLED用材料の本格的な商業化に向け順調に開発を進めています。

有機EL業界の未来を変えるゲームチェンジャーとして、革新的な材料と一流のチーム、高度なソフトウェア技術に基づき、有機EL発光技術の未来を創造することが私達の使命です。