九州大学 教授 安達 千波矢
株式会社Kyulux 共同創業者・科学技術アドバイザー

安達千波矢教授は、九州大学の最先端有機光エレクトロニクス研究センター(OPERA)のセンター長であり、有機光エレクトロニクス、有機光・電子物性、機能分子設計を専門とする世界トップクラスの化学者です。

1991年に九州大学で工学・材料工学の博士号を取得し、その後、(株)リコー化成品技術研究所で研究者及び物理学者としてキャリアをスタートさせ、信州大学繊維学部機能高分子学科助手、米プリンストン大学 Center for Photonics and Optoelectronic Materials (POEM) 研究員、千歳科学技術大学教授を経て、2010年から九州大学工学研究院教授および最先端有機光エレクトロニクス研究センター(OPERA)長として、現在もOLED 研究の第一線に立ち続けています。

安達教授は 2009 年に、レアメタルを使用することなく内部量子効率 100%を実現できる第 3 世代の有機 EL 発光技術 「熱活性化遅延化蛍光(TADF)」の開発に成功しました。その画期的な成果は2012 年に Nature 誌に掲載され、さらに翌 2013 年には同研究室で TADF の弱点を克服したHyperfluorescence™発光技術の開発に成功しています。

安達教授はその画期的な研究発明により、国内外で数多くの賞を受賞しています

また、2018年以降は Highly Cited Researcherに5年連続選出、2023年にはTADFの発明と材料化学、光化学、物性物理の学理の深化と実社会におけるディスプレイ産業の振興にも多大な貢献を果たしたことなどが高く評価され、有機 EL 研究の第一人者として更なる活躍が期待されています。

TADF の開発成功後、安達教授は九州大学と共に福岡県・福岡市と密に連携しながらワールドクラスの研究開発クラスターの構築を進め、故 水口 啓(元 Kyulux CFO)、安達 淳治(現 Kyulux CSO)らと共に 2015年に株式会社 Kyulux を創立、TADF/Hyperfluorescence™の全色実用化に向け、技術アドバイザーとして支援を続けています。